世代を超えて愛される王道グルメ オオサカ町洋食マニア 世代を超えて愛される王道グルメ オオサカ町洋食マニア

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公開日2022.03.10

食べるとほっとする洋食はどこか懐かしい味

洋食は、日本で独自の進化を遂げた西洋風の料理。もともと高級料理店としてはじまった洋食を出す店は、幕末から明治にかけてたくさん生まれ、時代とともに日本中に広がっていきました。ポークカツレツ(とんかつ)、カレーライス、コロッケ、エビフライ、ステーキ、オムライス、シチュー、ハンバーグ……。やがて洋食は庶民にも愛されるものとなり、子どもたちの大好きなメニューに。今や、懐かしい味だと感じる人や、食べるとホッとするという人のほうが多くなったのではないでしょうか?

変わらぬ味の老舗も、ボリューム満点の人気店も見逃せない!

洋食が流行りだした明治時代から大阪にはたくさんの洋食店がありました。現在の大阪には、創業時の味を大切に伝える老舗の洋食店もあれば、素材を厳選し、工夫をこらした繊細な料理が評判の店もあります。ランチで気軽に訪れたいボリュームたっぷりの店や、連日超満員の人気店もあります。よりどりみどりで、 どんなタイプの洋食でもそろうのが大阪の洋食店なのです。ここで紹介するお店は、それぞれ方向性は違えど多くのファンをもつ名店ばかり。さて、今日はどのお店に出かけましょうか?
  • ※当サイトにて記載の営業時間については、通常業務の時間となります。詳細は各店舗・スポットにてご確認ください。
目次

神戸牛にこだわるマスターの、サービス精神が光る!

驚く大きさ! あっさり和風ソースで頂く神戸牛ハンバーグ

空掘商店街の中にある「洋食の店 もなみ」は、知る人ぞ知る行列のできる店。芸能人や遠方からわざわざ訪れるファンも多い、大阪を代表する洋食の名店です。マスターはもともと神戸市灘区で洋食店を経営していたそうですが、1995年の阪神淡路大震災で被災。その後一時的に大阪に逃れてきたつもりだったのが、街の人々に愛されて現在に至るということで、「感謝の気持ちしかない」とおっしゃいます。
神戸出身だけあって、最大のこだわりは神戸牛。ショーケースのなかに並んだ美しい霜降り肉の豪快な塊をみると、マスターがどれだけ肉の品質に自信をもっているかがわかります。ステーキ、ハンバーグはもちろん、煮込み料理やハヤシライスのソースに至るまですべて神戸牛を使用。肉の良さが全メニューの基礎にあるのです。
そんな「洋食の店 もなみ」の看板メニューは、なんといってもハンバーグです。オーダーを受けてからパテを形成し、しっかり焼き目をつけて焼きながらも、中はふんわりとジューシー。7種類の野菜を煮込んでつくったあっさり味の和風ソースが、肉の旨味を引き立てます。
このハンバーグがまたびっくりするほど大きい! もともとは130グラムだったものが、マスターのサービス精神から年々サイズアップして、現在では当初の倍の260グラムもあるそうです。「大きめに作ってお客様に喜んでもらえるなら」と、マスターはこの先もサイズアップをやめるつもりはないとか。この時代にあって、再訪するたびに大きくなっているハンバーグって、なんだかすごいですよね!
一番人気のメニューは、このハンバーグに大きなエビフライが2尾もついた「ハンバーグとエビフライ」。ランチはごはんとスープがついて1,004円、ディナーはごはん、スープ、豆腐サラダ、フルーツ、シャーベットがついて1,450円というコスパの良さ。
このほかランチタイムは、「ハンバーグと一口カツ」(1,242円)、「ステーキランチ」(1,296円)、「ステーキとエビフライ」(1,598円)、「ハンバーグとステーキ」(1,922円)なども人気。ハンバーグ好きのために「ダブルハンバーグとエビフライ」(1,706円)というメニューも用意しています。
ディナータイムのイチオシは、「神戸牛のタタキ」(2,500円)です。うっとりするような霜降り肉の塊の表面を炙り焼きにし、中はとろけるようなレアに。その肉に自家製のポン酢をつけて頂く。ワイン、ビール、どんなお酒にも合う至福の一品です。
行列必至の店ですが、待ち時間は平均10分か15分くらい。ランチタイムと金・土・日のディナーは予約不可ですが、平日(火・水・木)のディナーは予約もできるので、ゆっくりと楽しみたい人には狙い目かも。
[machi-yosyoku_01]店舗情報

吉本の芸人さんにも愛されるコスパ最高の洋食店

ふわふわたまごに包まれたオムライスに感動!

毎日のように吉本新喜劇の公演がかかっている「なんばグランド花月」は、大阪でも屈指の観光スポット。そのはす向かいあたり、すぐ近くのビルの2階にある「洋食屋 カトリーナ」は、芸人さんたちにとても人気のあるお店です。
暖簾をくぐってなかに入ってみると、まず目を奪われるのが芸人さんたちによるサイン色紙の数々。壁に貼り出された色紙がどのくらいあるのか、お店の方にうかがってみると、なんと100人分は下らないそう。オープンの2006年から15年の間に、芸人さん同士のクチコミがクチコミを呼んでこれほどに。眺めているだけでも楽しいですね。
これほど人気があるのは、もちろん料理が魅力的だから。なかでも「オムライス」(700円)はぜひ味わってみてほしいメニューです。ネッカリッチと呼ばれる良質なたまごをたっぷり3個も使った、とろとろ、ふわふわのたまごは、口の中でとろけるよう。トマトベースの自家製ドミグラスソース が絶妙にからんで、そのおいしさに誰でも思わず笑顔になってしまいます。
オムライスの上にヒレカツ、エビフライ、クリームコロッケがトッピングされた「トリプルセット」(980円)は特におすすめ。揚げ物は小ぶりで軽く、これだけ食べてもおなかにまったくもたれません。
数種類のスパイスを調合して作った自家製のビーフカレーは、洋食屋さんらしいマイルドな欧風カレーに仕上がっていて、こちらも人気の品。「カレーライス」(700円)にも好きな揚げ物をトッピングして頂くことができます。なかでも「カツカレー」(850円)はボリュームたっぷりで大満足できるはず。
ハンバーグ、ヒレカツ、エビフライにライスとサラダがつく「ミックスセット」(980円)や、ヒレカツ、エビフライ、クリームコロッケ、魚フライにライスとサラダがつく「スペシャルセット」(780円)も、そのコスパの良さにびっくりさせられます。丁寧に仕込んでつくられた本格的な洋食がこの価格で食べられるとはすごいですね。
お客様の年齢層は幅広いですが、特に20代、30代の人が多いそう。ごはんを大盛りにしてもらったり、食後にコーヒーをつけたりと、その時々にあわせて気持ちよく使えるのもうれしいですね。お店は昼から夜まで休みなく営業しているので、食事の時間がずれてしまったりした時にも便利。土日のランチタイムは行列ができ、混み合う時もあるそうですが、回転率がいいので意外と早く店内に入れますよ。
[machi-yosyoku_02]店舗情報

ビジネス街で長年愛されてきたハイレベルな洋食店

ハンバーグの旨味を引き立てる絶品デミグラスソース

1935年(昭和10年)に創業した老舗の洋食店。
もともとお店があった場所は現在レストラン「Fujiya 1935」になり、洋食店としては一時休業していた時期もあったそうですが、懐かしい「ふじ家」の味を求めるファンの熱い要望を受けて2005年に再オープンしました。谷町四丁目駅と堺筋本町駅のちょうど中間あたりという立地もあって、近くの会社に勤めるビジネスマンを中心にこよなく愛されている名店です。
愛されポイントは、なんといっても10〜13種類もそろうランチ定食。なかでも、ぜひ味わってみてほしいのが「スペシャル定食」(2,700円)です。「スペシャル定食」は、ハンバーグ、有頭エビフライ、帆立とエビのクリームコロッケ・カレー風味が盛り合わせになった贅沢ランチ。ハンバーグにかかっているデミグラスソースは、香味野菜や牛骨などを2週間かけてじっくりと煮込んだオリジナルレシピ。先代から脈々と受け継いだ、真似のできないおいしさがここに凝縮されています。
デミグラスソースと並んで常連のお客様に評判なのが、しょうゆベースの照り焼きのタレです。このタレももちろん「ふじ家」でしか味わえないオリジナル。「近江牛の照り焼き定食」(4,000円)はもちろん、「野菜炒め定食」(1,300円)にも同じタレが使われ、熱々の鉄板からふわっと立ち上る香りがなんとも食欲をそそります。
ランチは他に「ハンバーグ定食」(1,250円)、「白金豚とんかつ定食」(1,300円)、「近江牛のヘレカツ定食」(4,000円)、「的矢カキフライ定食」(季節限定・1,600円)などがあり、どれも厳選した素材を使い、丁寧に調理した逸品ぞろい。日替わり料理が楽しめる「本日のランチ」(950円)や、夏場は「ビーフカレー」(季節限定・930円)も大人気。ランチの定食にはすべてごはんと、はまぐりで出しをとった赤出しがつきます。この赤出しがまた絶品で、細部まで行き届いた味に思わず通いつめてしまう人が続出するのも納得。
ディナータイムは、お酒を飲みながらゆっくりできる単品メニューが中心。「本日のカルパッチョ」(1,300円)や、「本日のスープ」(400円)、「近江牛のヘレステーキ」(200g・9,000円)などが人気です。もちろん、ハンバーグやフライ料理にごはんと赤出しをセットにして楽しむこともできます。夜は予約もでき(土曜の夜は要予約)、月替わりのコース料理(5,000円〜)も用意されているので、家族や仲間との会食にもぴったり。きびきびした中に、あたたかみを感じさせる接客からも、レベルの高さが伝わってきます。
[machi-yosyoku_03]店舗情報

黒門市場の中にある明治30年創業の老舗

継ぎ足しつつ守ってきたドミグラスソース の深い味わい

黒門市場のなかにたたずむレンガの外観が目を引く「末廣軒」。こちらのお店は1897年(明治30年)創業。なんと120年も続く洋食の老舗です。現在は、三代目と四代目のお二人が曾祖父から引き継いだ伝統の味を大切に守っていらっしゃいます。
その象徴ともいえるのが、ドミグラスソースです。深みとコクのあるソースは、絶やさないように少しずつ継ぎ足し、継ぎ足して今も使い続けているのだとか。
看板メニューである「ビフテキ」 (100g・3,300円、150g・4,950円、200g・6,600円)にも、そのドミグラスソースがたっぷりとかけられています。もちろん、お好みや気分によっては、塩胡椒だけでいただくのもよし。大根おろしとポン酢でいただくのもよし。基本的にはミディアムレアで提供しているそうですが、注文に応じてレアにもウェルダンにも焼いてもらえます。
こちらの「ビフテキ」肉は上質のヘレのみ。戦前からつきあいがあるという、やはり老舗の業者さんから届きます。産地などは特定せず、その時に入った国産牛のなかから、いいものを選んで持ってきてもらうという方針を何十年も貫いているそうです。仕入先や業者さんとの信頼関係を何よりも大切にしてらっしゃるということが伝わってきますね。
ドミグラスソースの味を堪能したいなら、「ハイシライス」 (880円)もおすすめ。玉ねぎと牛肉、グリンピースの入ったシンプルなメニューだけに、ドミグラスソースの深みがしっかりと感じられます。卵黄と混ぜながら食べて、そのまろやかさを味わってください。
そのほか、「オムライス」(880円)や、「ドライカレー」(880円)といった定番のごはんものも揃っています。特に、カレー粉を使って少し辛口に仕上げ、卵黄を落とした「ドライカレー」は、まさに洋食好きが求める懐かしい味。口に運んだとたん、「こういうのが食べたかったんだ!」と深く頷くことでしょう。
間口が狭く暖簾のかかった外観は、初めての人には少し入りにくいかも。でも、中に入るとアットホームな雰囲気で、ほっとくつろげます。黒門市場にありながら、ほとんどのお客様は常連で、観光客は少なめだそう。なかには、三代、四代と続けてファンのご家族も。いつ来ても確かな味がそこにあり、安心してゆっくりと楽しめるからこそ、長く愛されているのでしょうね。昼夜ともに席の予約も可能です。
[machi-yosyoku_04]店舗情報
【編集後記】
創業時のレシピをほとんど変えず、伝統の味を守り続けている老舗の洋食店があれば、時代に応じて味を変えていくお店がある。お客様の希望やニーズにあわせて料理が大きくなってきたお店があれば、いろいろなものが少しずつ食べられるミックスメニューが人気のお店もある。大阪の洋食店にはさまざまなスタイルがあり、どのお店にも熱いファンがいるということがわかりました。そして、それらの人気店に共通して感じられるのは、昔も今もお客様とともに歩み続けているということ。大阪の洋食を支えているのは、料理をつくる人たちだけではなく、食べる人々でもあるのです。
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