王道派? 変わり種派? オオサカ手土産マニア 王道派? 変わり種派? オオサカ手土産マニア

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公開日2021.03.10

紹介してくれるマニアさん

文筆家甲斐みのりさん

手土産をはじめ、旅やお菓子、建築、雑貨などを題材に、書籍や雑誌に多数執筆。著書『歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ』を原案としたドラマ『名建築で昼食を』(テレビ大阪)では、監修も担当。

食の都・大阪の、心ときめく名品たち

江戸時代は物流や商業の中心地で、「天下の台所」と言われてきた食の都・大阪。
そんな大阪では、ユニークな府民性が語られ、名物といえば、たこ焼き・串カツ・豚まんなどが挙げられることも多いですが、ロマンチックなお菓子をはじめとした様々な食の店も、大阪の街中に点在しています。
大阪ならではの手土産にスポットを当てた今回のテーマでは、味が確かで、手土産として喜ばれるのはもちろん、誰もが知る老舗のお店と、比較的新しいお店とを、バランスよく取り混ぜて選ぶようにしました。
Osaka Metroに乗って、手土産を求めに出かける道中までも足取りが軽やかになるような、気持ちがときめく手土産を紹介しているので、ぜひ活用してください!

  • ※当サイトにて記載の営業時間については、通常業務の時間となります。 詳細は各店舗・スポットにてご確認ください。
目次

商品にまつわるストーリーも手土産に

選定するときのポイントは、彩りが華やかで美しかったり、形が愛らしかったり、有名な文豪に愛されていたストーリーがあったり、素材にこだわっていたり…。一言エピソードを添えながら、差し出したくなるものばかり。贈られた人からも、感嘆の声がきっと上がることでしょう。

がんばった自分へのごほうびにも

手土産は、友人やお世話になっている仕事仲間、家族や親戚に手渡すのはもちろんですが、ときには、日頃がんばっている自分へのごほうびとしても…。どれにしようか悩んでいるときから、ワクワクと心が弾みます。

素材豊かな四季折々のおはぎ【森乃お菓子】

真心込めた手作りおはぎで、大切な人を笑顔に

おはぎといえば、蒸したもち米を粒あんやきなこで包んだ、秋のお彼岸にお供えするお菓子のイメージですが、同店には、黒ごまに焼栗、とうもろこしなど、素材の持ち味がじっくりと味わえる、バラエティ豊かなおはぎがずらり!おもちの部分にも、あんにする素材に合わせて雑穀や黒米を加えており、その季節ならではの色とりどりのおはぎを、一年を通して楽しむことができます。
取材時の昨秋に販売していた、「大納言雑穀もち」「抹茶バター雑穀もち」「ほうじ茶黒米もち」「焼栗黒米もち」。
「森乃お菓子」は、豊中市にある「森のおはぎ」の姉妹店。おはぎイベントを企画した店主が、たくさんの人におはぎに興味を持ってもらいたいと、“食べたことも見たこともない、新しいおはぎを作ってみよう”と考えたのが、お店ができたきっかけなのだそうです。
おはぎは、ころんと小ぶりなまんまるフォルムで、心込めて丁寧に作られていることが一目でわかる仕上がり。真心の込もった手土産として、喜ばれること間違いなしです。
豊中市の「森のおはぎ」から、作り立てをお届け。
北新地の「森乃お菓子」では、組み合わせの決まった4個入りの詰め合わせ(650円前後。季節により変動有)を2種類販売しており、これから春にかけては桜や青豆の おはぎが登場する予定。
そのほか、「深煎きなこのやわらかわらびもち」(480円/税込)や「あんずとくるみの最中」(1,150円/税込)などのお菓子も販売しているので、こちらにもぜひ注目してみてください。
パッケージや手提げ袋にも、店主のこだわりがキラリ。
植物や蝶をモチーフにした手提げ袋は、世界的に活躍する陶芸家・アーティストの、鹿児島睦さんがデザイン。ナチュラルな雰囲気が同店のイメージにぴったりで、洗練された手土産をお渡しすることができます。
上品な和の雰囲気が漂う、カウンタースタイルのお店。
北新地のお店は、仕事が終わって街が動き始める16:30から営業がスタート。売り切れ次第閉店となるので、確実に購入したい人は、早めの来店がおすすめです。

★マニアさんのおすすめポイント★
素材の風味を贅沢に感じられる、雑穀入りのお餅を蒸したおはぎ。美しく上品な佇まいに顔がほころびます。
[souvenir_01]店舗情報

心ときめくカップケーキ【フェッタンボンボン】

アイシングのカラフルなデコレーションで人気

コンクリート打ちっぱなしのシンプルな外観が目印。
カップケーキやカヌレをはじめとする、焼き菓子の専門店。海外のカップケーキにインスピレーションを受けた店主が、中崎町のマンションの一室で創業したのは2005年のこと。当時は、カップケーキを専門に販売するお店は日本では珍しい存在だったのだとか。
その後、西天満を経て、2018年からは現在の店舗がある四ツ橋での営業をスタート。移転後も、かわいくて美味しい手作りの焼き菓子で、ファンを魅了し続けています。
蝶やジュエリーをモチーフにした、愛らしいデコレーションに目がくぎ付け!
このお店のカップケーキが人気を集める理由は、なんといってもカラフルでかわいいデコレーション! 卵白と粉糖で作る“アイシング”を使って、まるで絵本やアニメに出てくるような、愛らしいカップケーキを作り上げています。
一見、甘そうにも見えますが、ケーキはアイシングと一緒に食べて、ちょうどいいと感じるくらいの甘さに仕上げているのでご安心を。
なおカップケーキは、定番デザインのカップケーキ(各390円/税込)に加え、3カ月ごとにデザインが変わる「シーズンカップケーキ」(各460円/税込)も用意。またケーキの生地はバニラ、ココア、マーブルの3つの味が揃っています。
カヌレは100g(約7個)からの量り売りスタイル。
もう一つの名物・カヌレは、パクッといただける小ぶりなサイズ。カリカリ&もっちりの食感が後を引く美味しさで、お礼やちょっとしたプレゼントはもちろん、差し入れなどにもぴったりです。
味はプレーン(100g460円/税込)とチョコレート(100g610円/税込)のほか、期間限定のフレーバーの3種を販売しています。
ヨーロッパの街並みの一角にあるお店を訪れたような雰囲気。
バースデーや記念日にぴったりのホールケーキの予約も受け付けており、キーワードを伝えれば、それに合わせた華やかなデコレーションをアイシングで施してくれるとのこと。
大切な人の喜ぶ顔が今にも浮かんでくるような、素敵な手土産になりそうです。

★マニアさんのおすすめポイント★
日常を特別に変える、甘い宝石のようなカラフルで愛らしいカップケーキ。
[souvenir_02]店舗情報

小説にも登場する大人風味の夢色ボンボン【長﨑堂 心斎橋本店】

創業100年のカステラは、ここぞというときの手土産にも

街の喧騒を忘れさせる、異国情緒漂う外観。
心斎橋の長﨑堂といえば、1919年(大正8年)に創業した、長崎式の本格的なカステラで有名なお店。歴史と熟練の技術を受け継ぎながら、伝統の美味しさを提供し続けるのはもちろん、カステラ以外のオリジナル商品でも人気を集めています。
“きれいでかわいい名物を”と、1980年代初めに登場。
オリジナル商品の中には全国的な知名度を誇る人気商品があり、それが田辺聖子さんの小説『苺をつぶしながら』にも登場する「クリスタルボンボン」(1,458円/税込)。アニゼット、マラスキーノ、コアントローの、3種のリキュールを使った砂糖菓子で、パステルカラーのきれいな色にも、心がときめきます。
レトロな雰囲気のパッケージも愛らしく、プレゼントはもちろん、自分用に購入する人も多数。なお、こちらはこわれやすくてデリケートなお菓子なので、オンラインショップでの販売は行っていないのだとか。このため、同店を聖地のように訪れる、全国からの文豪ファンもたくさんいるということです。
大阪府の「大阪産(もん)名品」にも認定。
看板商品のカステラは、黒糖や抹茶の風味が楽しめるカジュアルなカステラから、内祝いやあらたまったご挨拶にもぴったりのカステラまで、幅広くラインナップ。
中でも注目なのが「復元カステーラ」(1,296円~/税込)。本物のカステラを追い求めたいと、大正末期のレシピと江戸初期の材料配合を克明に再現しており、古き良きカステラの美味しさをじっくりと味わうことができます。
しかも、こちらは杉箱入(3,240円~/税込)の商品もあり、包装を開けた瞬間にふわっと漂う杉の香りも一興。誰に贈っても恥ずかしくない、きっちりとした手土産を探しているという人にも、おすすめしたい逸品です。
落ち着いた雰囲気の店内には、小さなカフェスペースも。
田辺聖子さんは小説の中で、“オルゴールの音色をこまかく砕いてお菓子にすると、「長﨑堂のボンボン」になる。”と表現しているのですが、実際に店内には、100年以上も前に作られたという、大きなアンティークのオルゴールが。美しい音色に耳を傾けながら、手土産探しを楽しんでみてはいかがでしょうか。

★マニアさんのおすすめポイント★
見た目は愛らしいけれど、アニゼット、マラスキーノ、コアントロー、3種のリキュールを使った大人の風味。紅茶などに合わせても。
[souvenir_03]店舗情報

心弾むキュートなプチケーキ【カグノミ堂】

2~3個食べてもOK。選ぶ楽しみ、手でつまめる気軽さも魅力。

イートインスペースを備えた、スタイリッシュな店内。
“コーヒーや軽食、アルコールなどを提供するイタリアのバールのように、ふらりとお店を訪れて気軽にスイーツを楽しんでほしい”と、2017年にオープン。
手でつまんで パクリといただくこともできるようにと、ケーキは一口サイズのコロンとしたフォルムに。店内のイートインスペースではアルコールも提供しており、カフェタイムはもちろん、ディナーの後もスイーツをカジュアルに楽しむ多くのゲストでにぎわいを見せています。
通常のケーキの1/2~1/3のサイズ感で、価格は1個300円前後。
ケーキはもちろんテイクアウトOKで、定番のケーキや季節のフルーツを使ったケーキなどを常時16種類ほどラインナップ。小さくても満足できるよう、バランスのとれた味わいにすることを心がけており、また、一つ一つ丁寧に形作るスタイルも、店主のこだわりなのだそうです。
たとえば、同店の定番商品「カグノミ」(上記写真・左から3列目。330円/税込)は、オレンジ風味のメレンゲと、サクッとした食感の土台生地が口の中で心地よく調和する一品。同じく定番の「ミエル」(同左から5列目。290円/税込)は、はちみつをきかせたなめらかなムースで、ドライフルーツとナッツの風味がアクセントになっています。
手土産はもちろん、自分へのプレゼントにも。
プチサイズのケーキだから、1人で2~3個食べても罪悪感なし!
気の合う仲間と、好きなケーキを選びながらのパーティは、盛り上がること必至です。ちなみに、持ち帰り用のボックスは3個入り、6個入り、9個入りの3種類を用意。もちろん、お好きなケーキをお好きな数だけ注文することができます。
鮮やかなブルーの外観が、一際目を引くお店。
ケーキのほか、フィナンシェやサブレなどの焼き菓子やコンフィチュールも販売。また、お好みのケーキをフルーツとともに盛り合わせた、バースデープレートの予約も受け付けています。

★マニアさんのおすすめポイント★
一口サイズのスイーツは、見た目にもお腹にも、ちょっとした贅沢を満たしてくれます。
[souvenir_04]店舗情報

人生の節目を彩る特別なショコラ【Cagi de rêves】

夢への扉を開く“Cagi(鍵)”をモチーフに

製菓メーカー「UHA味覚糖」が手がけるショコラブランド。同社といえば真っ先に、大人気のソフトキャンディやグミなどを思い浮かべますが、ショコラにもこだわりがあり、しかも、店頭で購入できるのは、全国でも大阪にあるこちらのお店だけなのだそうです。
きらめく宝石箱のような、ラグジュアリーな空間。
お店があるのは松屋町筋の味覚糖UHA館1Fで、店舗デザインを手がけたのは、世界的デザイナーとして活躍する森田恭通氏。板状ショコラをモチーフにした格子組みを用いたり、まるでジュエリーショップを訪れたかのようにショコラが陳列されていたりと、エレガントな雰囲気の中で、ショコラの魅力を存分に楽しめるようになっています。
幸せな未来を願う気持ちを、鍵の形のショコラに込めて。
マダガスカル産を中心とした、厳選された素材を使用した同店のショコラは、店裏のキッチンで一つ一つ丁寧に手作り。また製品の多くは、店名にもある“Cagi(鍵)”がモチーフになっており、鍵や鍵穴をイメージしたショコラが種類豊富に並んでいます。
同店を代表する「コフレロン」(1,296円/税込)もしかりで、鍵とハート型の鍵穴をイメージしたショコラを、黒×赤のスタイリッシュなパッケージに詰め合わせて。しかも、カカオ分33%~75%の、5種類のショコラを揃えているから、ソムリエ気分で食べ比べを楽しむこともできます。
ハート型のショコラもポップなカラーに変身。
「コフレロン」にはもう一つ、デザイナー・クリエイターの平野傑氏がパッケージデザインを手がけた「コフレロン エトワール 」(1,404円/税込)という商品も。こちらは白×橙をメインカラーとした、パッと目を引くデザインで、贈る相手に合わせたデザインを選ぶことができます。
ショコラのほか、ケックやマカロンなども販売。
UHA味覚糖ならではのユニークな商品もあり、それがスナック菓子「おさつどきっ」を使用した「おさつロシェ」(1本154円/税込)。「おさつどきっ」のザクザクとした食感を生かした特別なショコラとなっており、プレーン、オレンジ、りんご、カフェオレ、紅茶の、5つの美味しさが楽しめます。

★マニアさんのおすすめポイント★
ソムリエ気分で味の違いを味わえる、鍵モチーフの人気ショコラ。
[souvenir_05]店舗情報
【編集後記】
大切な人の顔を見ながら、直接手渡しする手土産は、相手が喜んでくれる、間違いのないものを選びたいですよね。私の場合、「仕事関係にはこのお店のチョコレート」「ちょっとしたお礼にはあのお店の和菓子」などと、なんとなく鉄板手土産が決まっていたのですが、甲斐さんがおすすめする手土産は、どれも美味しくて、魅力あるストーリーが秘められているものばかり!取材を通して、自信が持てる手土産のアイテムがぐっと広がりました。みなさんも、ぜひ甲斐さんセレクトを実際に見て回り、手土産リストに加えてみてはいかがですか?
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