パンとたまごの王道コンビ オオサカたまごサンドマニア パンとたまごの王道コンビ オオサカたまごサンドマニア

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公開日2024.06.10

紹介してくれるマニアさん

日本卵サンド協会会長たま男さん

日本卵サンド協会会長たま男としてブログ「大阪のたまごサンド知らんの???」を運営。パン屋・喫茶店・コンビニ・スーパーなど様々な場所で販売されているたまごサンドを全国に発信中。

世界にアピールできる素晴らしき新・日本食

日本人のほとんどが一度は味わったことがあるだろう「たまごサンド」。卵とパンというシンプルな材料にもかかわらず、そこには深い味わいの世界が存在します。見た目・材料はほぼ同じでも、ここまで味に幅のある料理は他になかなかありません。
近年、「関西は厚焼き玉子」、「関東は玉子サラダ」と部分的に語られることがありますが、実際はそんな単純でなく、全国各地には多様なアレンジ・こだわりが施された素晴らしいたまごサンドが溢れています。東京オリンピック開催時には、コンビニのたまごサンドが海外メディアにも取り上げられ、そのクオリティで世界の記者を驚かせたことは記憶に新しいです。
もはやここまでくると日本食といってもいいたまごサンド。その素晴らしさをさらに世界に知っていただきたいという願いをもって私は活動しております。
今回は、そんな素晴らしい日本食「たまごサンド」を提供しているOsaka Metro沿線のお店を紹介し、その魅力を少しでもお伝えできればと思います。

目次

コーヒーにもジュースにもよく合うたまごサンドはコスパも魅力

カリッと焼いたパンとふわふわの玉子焼き

気取らない大小の焼き肉店が立ち並ぶ街として、また、近年は若い女性好みの可愛いカフェなども目立つエリアになった鶴橋駅前付近。大通りから少し入った場所に店を構える同店は、半世紀近く、この地で営業してきた喫茶店です。扉を開くと、昭和時代にタイムトリップしたかのような古き良き趣きあふれる空間が広がっています。
「当店は、創業当時からメニューも内装もほとんど変えていません。ドリンクは、コーヒーをはじめ、紅茶やジュース類を、フードはサンドイッチやトースト、ピラフなどを用意しています。たまごサンドは、味はもちろん、値段もかなりお得だとお客様から人気ですね」とスタッフの岩村さん。
その「たまごサンド」は、トーストした2枚の食パンに卵4つ分の厚焼き玉子を挟んでいます。
「卵以外の材料は秘密」という具材は、卵液を空気を含ませるように混ぜ火加減に注意しながらフライパンで焼くことで、ふんわりした玉子焼きが完成するとか。甘さを控えた和風の味に仕上げています。厚みは5センチ近くあり、一皿でかなりのボリュームながら値段はワンコインの500円。常連さんも多い店だけあり、毎日でも食べられる嬉しい価格設定です。
同店には、店の名を知らしめたもう一つの有名なメニュー、「キムチサンド」(700円)があります。
今では他店でも見かけるキムチ入りのサンドイッチですが、約30年前にメニュー化した先駆け店です。こちらもたまごサンドと同じ食パンを使用しており、中の具材は韓国から取り寄せる2種類のキムチ、ハム、胡瓜、ゆで卵のみじん切りと、ヘルシーかつオリジナリティ抜群。元々「夏にさっぱり食べられるように」と開発したメニューで、試作段階で常連さんに何度も味見をしてもらい、完成させたそうです。キムチが入っているけれど辛さは控えめで、ほどよい酸味が食欲をそそります。
昔ながらの純喫茶の面影を残す同店で、サンドイッチに合わせる飲み物としておすすめしたいのがミックスジュースです。「ミックスジュースは7年前から出していて、『大阪といえばこれ!』という発想でメニューに加えました。生と缶詰のフルーツをたっぷり使い、とろっと濃厚な口当たりに仕上げました」とのこと。
サンドイッチ類はテイクアウトもできますが、せっかくなので店内で食べて、ノスタルジックな店の雰囲気を丸ごと堪能してはいかがでしょうか。
★マニアさんのおすすめポイント★
迫力のあるビジュアルの厚焼き玉子は、なんと卵を4つも使用!トーストされたサクふわッとした軽い食感の食パンが、プルっとした玉子を引き立てる。さらに口の中で玉子とマヨネーズが溶け合い、素晴らしいマリアージュを奏で、贅沢なひとときを過ごせること間違いなし!
[tamagosand_01]店舗情報

豊富なパンが揃うビジネス街の名店ではお昼の限定商品も話題!

やさしい風味が広がるだし巻き入りサンド

谷町四丁目駅を降り、本町通りを西に歩くと通りに面したテラス席が見えてくるこの店は、都心らしいスタイリッシュなカフェを併設したブーランジェリーです。店に入るとまずパンの豊富な品揃えに圧倒されます。
「当店では食事パン、調理パン、菓子パン、焼き菓子、サンドイッチなど幅広い商品をお出ししていますが、職人が朝昼晩と常時、焼き続けることで、いつ来てもいろんなパンを楽しんでもらえるようにしています」とオーナーの東野さん。
パンに使用する小麦粉は北海道産を中心とする国産品がメインで、特に小麦本来の風味を存分に引き出せる単一品種にこだわり仕入れているそうです。そして、パンに合わせるカスタードやバタークリームといったフィリング類は手作り、保存料や着色料は不使用と、「職人として本物の味を届けたい」という思いが込められています。
そんな同店のヒット商品の一つが、「だし巻き卵の春恋ドッグ」(324円)。毎日、お昼の12~13時限定で登場する商品で、看板商品のコッペパン「春恋コッペ」にボリュームたっぷりのだし巻きを挟んでいます。
「春恋コッペは、香りが強く、良質のタンパク質を含む国産小麦『春よ恋』を100%使用して作る商品で、ふんわりした食感に仕上げています。そのパンに調和する具材を考えたところ、同じくふんわり焼き上げただし巻きになったのです」とのこと。
中の具材も外のパンもやわらかく、食べるとなんともいえない口溶けの良さに感動します。だし巻きはしっかりした味付けで、マヨネーズのシンプルな味がそれを引き立てています。絶対に外したくないこの商品、個数の限定はありませんが、一度に製造できる数が限られているので、あらかじめ電話予約するのがベターです。
また、同時にチェックしたい売れ筋ナンバー1が「クロワッサン・イズニー」(237円)。
伝統的な製法で作るフランス産の高品質バターを折り込んだクロワッサンで、バターに使う豊かなミルクの風味が口に広がります。そのまま食べるのはもちろん、家のトースターで軽く焼いても美味しくいただけます。
同店は大阪市内に3軒を構えており、カフェを併設しているのはこちらの店舗のみ。ゆったりとしたスペースが設けられていて、落ち着ける雰囲気です。飲み物は、豆の特徴をストレートに味わえるシングルビーンズコーヒーの品揃えに力を入れているので、ぜひお気に入りを見つけてみてください。
★マニアさんのおすすめポイント★
goutさんで大人気「春恋ドッグ」を使用した「だし巻き卵の春恋ドッグ」。白パンの特有の香りと出汁の香りで食べる前から満足してしまう。噛むと、だし巻きの出汁がふわもち生地に絶妙に絡みつき、驚きの食感と奥深い味わいに魅了されること間違いなし!シンプルな見た目の想像を超える奥深い味わいは、もはや芸術!
[tamagosand_02]店舗情報

お客様からの声に応えて完成させた、玉子たっぷりのサンド

リッチなオムレツ風の玉子を食べられる一品

大阪港に近く、湾岸エリアらしいゆったりとした空気が流れる朝潮橋駅付近。大型アリーナを擁する広々とした八幡屋公園に面する喫茶マルキは、1951年に創業し、今の店主は2代目という昔ながらの喫茶店です。店に並ぶメニューはサンドイッチやトーストといった軽食類、コーヒーなどの各種ドリンクが中心。その中でもぜひ食べたいのが、「たまごばっかりサンド」(680円)です。「今もお出ししていますが、元々、玉子と、レタスや胡瓜などの野菜を挟んだ『たまごサンド』があり、それを食べていたお客様から『野菜が入らない玉子だけを挟んだバージョンが食べたい』とリクエストをいただいたことから、メニューに加えました」と店主の池田さん。
たまごばっかりサンドは、毎朝、パン屋さんから配達されるできたてのパンをスライスして、間にオムレツ風に焼いた玉子を挟んでいます。玉子は注文を受けてから、フライパンで約6分じっくり時間をかけて焼き上げ、熱々で提供していますが、生クリームをたっぷり加えているので、冷めてもやわらかい口当たりを楽しめます。ふわふわのパンはあっさりとしたシンプルな味で、卵の美味しさを引き立てることを念頭に置いたそう。単品で注文するのはもちろん、ドリンクをセットにすると、30円引きになってお得。また、パン4枚と卵2個で作る基本のサイズ以外に、それぞれを半量にするハーフサイズメニューもあり、少しだけ食べたいときにも注文しやすくなっています。その他、ロースハムが入るミックスサンドなどでも、同じオムレツ風の玉子を味わえます。
ドリンクは紅茶やジュースを用意していますが、ぜひ味わってほしいのが、直火式の焙煎機で店内焙煎した豆を使う本格コーヒーです。
約15種類あるうち、人気の「深煎りブレンド」は深いコクとしっかりした苦味、かすかなスモーキーさが特徴です。サンドイッチはもちろん、デニッシュトーストのような甘いメニューにもよく合います。
深煎りブレンドが350円、普通のブレンドが300円という良心的な価格設定は、初代を務めた池田さんのお母さんの時代からの据置きだとか。随所に心遣いを感じるお店の方針に、長く通われている常連さんがいるというのも納得です。
バブル時代にあたる35年前にリニューアルし、当時のインテリアなどを残した店内は、カウンターと2つのテーブル席で構成。シックな色調でまとめられていて、ゆったりくつろげる雰囲気です。8人がけの広々としたテーブルもあるので、グループでの利用も可。サンドイッチをテイクアウトできる他、コーヒー豆も販売しています。
★マニアさんのおすすめポイント★
「たまごばっかりサンド」はその名の通り、玉子たっぷりの優雅な一品です。美しい盛り付けを見て思わずニンマリ!一口頬張れば、もっちりとしたパン生地に、滑らかな玉子、ピリッとしたからしマヨが絶妙に調和。シンプルイズザベストとはまさにこのこと。パンと厚焼き玉子の完璧な一体感をお楽しみあれ!
[tamagosand_03]店舗情報

パンによくなじむ特製ソースで味付けした玉子のフィリング

卵の味を余すところなく引き出すプロの技術

天満橋駅から徒歩ですぐの場所にあるビッグサンドは、30年近い歴史を持つ寝屋川市発祥のサンドイッチ専門店です。以前はイートインスペースを設けていましたが、企業へのケータリング注文などが増えたため、現在は店頭販売のみ。約30種類を展開するサンドイッチを始め、ホットドッグ、日替わりのランチボックスなどがショーケースに並びます。
同店の「てづくりたまご」(270円)は、スライスした食パンにゆで卵で作るフィリングを挟む昔ながらの作り方で、一見オーソドックスですが、プロの技が詰まっています。
「卵は老舗の卵業者から品質の高い種類を厳選して仕入れています。茹でた後、およそ一日置いてから調理することで水っぽさがなくなり、卵本来の味が引き出せるのです」と店主の岡崎さん。
ゆで卵は専用の器具を使いみじん切りにして、特製のソースと合わせます。それを、辛子マヨネーズを塗った10枚切り程度の厚さの食パンに挟んで完成です。特製ソースは数種類のマヨネーズと調味料が材料で、岡崎さんが大手のサンドイッチ店に勤めていた頃に作り方のヒントを得たのだとか。
薄めのやわらかいパンを使っても崩れることなく、しっかりしたサンドイッチが作れるのも、熟練の腕があってこそ。やさしい口当たりのパンと塩分を控えてマイルドに味付けした玉子の組み合わせは、コーヒーからジュースまでいろんな飲み物とも相性が良く、食べ飽きません。小さな子どもからお年寄りまで、幅広い年代の人に親しまれているのにも頷けます。
ショーケースにはその他、ツナ、ポテト、トマト、ロースかつ、ビーフコロッケなどを具材にしたサンドイッチが並びます。美味しい卵を味わえる商品は「てづくりたまご」以外にもあり、野菜とハムが入る「ハムエッグサンド」(300円)もその一つ。シャキシャキした食感のレタスが入り、さっぱりした美味しさを楽しめます。
朝7時からオープンしている同店は、出勤前にサンドイッチを買い求める人も多く、昼過ぎにはショーケースがガラガラということも珍しくありません。ただしその後は、注文が入るごとに店の奥で一つ一つ作って販売してくれるのでご安心を。付近は大小のビルが立ち並ぶビジネス街ですが、裏通りには比較的、静かな場所もあります。テイクアウトしたサンドイッチを公園で食べる、のどかなランチタイムもおすすめです。
★マニアさんのおすすめポイント★
「てづくりたまご」という商品名がなんとも心温まる!一切の添加物を排した自家製マヨネーズと自家製ソース、そのこだわりに感動。口に含むとふわっと広がるマヨネーズの優しい風味、ちょっぴり甘い玉子サラダの微妙なバランスが絶品。ゴロゴロとした白身の食感もアクセントになって、食べていて楽しい逸品。
[tamagosand_04]店舗情報

だし巻きをカツにする新鮮な発想がまさにアバンギャルドで大人気

焼いたパンと揚げただし巻きの絶妙な一体感

個性豊かなお店が多い福島界隈。路地裏アバンギャルドは、話題の飲食店を次々に生み出してきたクラマ計画が運営している立ち飲み屋です。気取らない雰囲気で、夜ごと賑わっています。
フードメニューは、同店が幅広く揃えている各種日本酒に合うものが中心で、看板メニューのおでんとオリジナリティに富んだ一品料理が充実しています。たまごサンドも、余所であまり見かけないヒネリ具合が、人気を集めている理由の一つです。
「当店のたまごサンド『だし巻きカツサンド』(650円)は、おでんの出汁で作るだし巻きにパン粉をつけて油で揚げた後、焼いたパンに挟んだホットサンドです。食べると外はサクサクした食感で香ばしく、中はふんわりしてジューシーな美味しさを味わってもらえます」と、店長の永井さん。
具材は他に玉子と相性のいいスパムも挟まれていて、奥行きのある味です。パンには、練乳を混ぜた特製の練乳マヨネーズとマスタードが塗られ、まろやかな酸味とピリッとした辛さのアクセントがきいています。一皿に2切れという、お酒のアテにちょうど良いボリューム。これを目当てにわざわざ足を運ばれるお客様もいるのだとか。
また、一緒にぜひ食べてほしいのが、各種「おでん」(180円~)です。
「おでんの出汁は毎日、一から作ります。北海道産の道南昆布と、鯖節やうるめ節など数種類の削り節で出汁を取り、あっさりした関西風に仕上げています」とのこと。季節により多少変動しますが、おでんの具材は常時20種類弱を用意。大根、卵、厚揚げ、牛すじといった一般的な具材を始め、変わり種も豊富です、例えば「だし巻き」は味のついただし巻き玉子を、さらにおでんの出汁で煮込んで深い味に仕上げる食欲をそそるメニュー。カマンベールチーズを天ぷらにして、おでん出汁をかける同店らしいアイデアメニュー「揚げカマンベール」も目を引きます。その他、春に登場したばかりの「あて巻き」(450円〜)は、アテとしてもお寿司としても楽しめる一品料理。鰻などを具材としたやや小ぶりのお寿司で、小腹が空いて何か少しつまみたいときにおすすめです。
飲み物は、全国各地の銘柄が揃う約20種類の日本酒を始め、生ビールや果実酒などを用意。日本酒の蔵元が醸造している、少し珍しい「白い梅酒」も人気メニューの一つです。
古い家屋の面影をそのまま活かした店内は、インテリアもノスタルジック。
立ち飲み用のテーブルは明治時代の古箪笥で、照明にはオシャレなステンドグラスを取り入れています。1階の立ち飲みスペース以外に、2階に予約制で利用できる貸切専用の座敷席も用意しています。
★マニアさんのおすすめポイント★
おでんを扱う居酒屋ならではの美味しい出汁を使っただし巻き、これを揚げて、さらにサンドイッチにした「だし巻きカツサンド」。「じゅわっ」とジューシーな出汁が口いっぱいに広がります。すかさずビールを流し込めば、1日の疲れをも忘れさせる味わいがそこに!!〆でなく最初の一品としてもオススメ。七味をかけて味変するのも◎。一度食べるとやみつきになること間違いなし!
[tamagosand_05]店舗情報
【編集後記】
卵は家庭の常連食材だからこそ、お店ではプロならではの本格派の味を楽しみたいですね。取材した各店が、挟む卵の形状、味付け、また、パンの選び方に工夫を凝らして、オリジナリティを出しており、焼き方一つとっても「企業秘密」という細かい工夫がありました。パンと卵というシンプルな組み合わせですが食べると千差万別!自分好みのナンバー1のたまごサンドを探してみてください。
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