白いベールに包まれたジューシーワールド オオサカ餃子マニア 白いベールに包まれたジューシーワールド オオサカ餃子マニア

Scroll
公開日2021.11.10

紹介してくれるマニアさん

餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長塚田亮一さん

2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」の編集長。 「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。 首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。 これまで食べ歩いた餃子店の数は3,000店以上。長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。

独自の美味しさを追求する大阪の餃子

もはや日本の国民食といっても過言ではない餃子。餃子は小さな子どもから年配の方まで、そのファン層は幅広く、さらにおひとり様でも、デートでも、友達と集まる時にも、どんなシチュエーションでも楽しむことができます。 「美味しい!」と評される餃子が全国津々浦々に存在するなかでも、大阪は、全国屈指の餃子激戦区の一つ。繁華街にも郊外にも、あらゆる町に餃子専門店があり、バリエーション豊かな餃子がそろい踏み。 今回、そんな大阪に多数存在する餃子店のなかから選りすぐりのお店を紹介します。一つの餃子店でいろんなメニューを楽しむのもOK、複数店舗をはしごするのもOK。それぞれの楽しみ方で、大阪餃子を食べ尽くしてみてください!

  • ※当サイトにて記載の営業時間については、通常業務の時間となります。詳細は各店舗・スポットにてご確認ください。
目次

「これだ!」自分好みの餃子に出会う喜び

大阪には戦後まもなく誕生した老舗から、勢いのある新興組まで様々な餃子専門店が存在。キタやミナミの飲み屋街にあるひとくちサイズの餃子は全国区の知名度。餃子をウリにしたローカルチェーン店もいくつかあり、それぞれで特徴的な餃子が食べられます。
最近はSNS映えするおしゃれな餃子を出す店も人気で、ビールだけでなく、ワインと餃子のマリアージュも楽しむことができます。
あなたのお好みは、どんなタイプの餃子でしょうか。

大阪東部中心に5店舗! 店名に込められた餃子への熱い自信!

大阪人を虜にする「焼き」と「ソフト」2つの餃子

界隈でひときわ目を引く、「ぎょうざ専門店」の看板や「チャンピオン」の暖簾。餃子好きなら決して素通りできないインパクトと存在感を漂わせるのが「ぎょうざ専門店チャンピオン」。平成5年の創業以来、2種の看板餃子ひと筋でファンを魅了し、今里本店を中心に5つの店舗を有するまでに発展。いまや大阪餃子ローカルチェーンの筆頭格といっても過言ではなく、餃子好きならば一度は足を運んでおきたい1軒です。
餃子専門店と標榜するお店の多くは、餡の素材や調理法が異なる、複数の餃子メニューを提供するところ、チャンピオンでは「焼き餃子」(300円)と「ソフト餃子」(300円)の2種類のみで勝負。餃子のみならず、飲み物やサイドメニューも数種類のみ厳選し、しかも「全品300円」という、シンプルな明朗会計もウリ。いずれの餃子も、美味しさの秘訣は餡にあり、2日間寝かせたキャベツと白菜を使うことで、独特の甘みや深みが凝縮された、チャンピオンでしか味わえない風味を醸し出しています。
注文してから香ばしく焼き上げられる「焼き餃子」はひとくちサイズにこだわり、野菜中心の餡をたっぷりと手包み。15分かけてじっくりと焼くことで表面はカリカリに焼き上がり、柔らかくジューシーな餡との食感の違いが楽しめます。
一方の「ソフト餃子」はいわゆる水餃子で、3種類の岩塩をブレンドした特製塩を振りかけて、いただきます。熱々を頬張ると口の中にあふれ出すジューシーな肉汁。その旨味を特製塩が引き締める、絶妙な味わいです。
なかには、カウンター席に皿が山積みになるほど召し上がるお客様も。チャンピオンの餃子をたくさん食べても胸焼けしない理由は、もともと店主が和食職人で、中華の定番料理・餃子にヘルシーな和食の要素をさりげなく取り入れているから。店主曰く「うちの餃子は野菜たっぷりであっさり、ひとくちサイズでパクパク頬張れるのが魅力。餃子 のご注文は2人前以上となりますが、追加分は一人前ずつ注文可能ですので、ぜひ『焼き』『ソフト』どちらもご賞味ください!


★マニアさんのおすすめポイント★
「餃子を食べたい」ではなく「チャンピオンの餃子が食べたい」。そんな風に思える数少ない名店の1つです。こぢんまり とした店内でメニューもシンプル。わきめもふらず餃子と対峙できる最高のシチュエーションです!
[gyoza_01]店舗情報

大東市発祥の丸正系はじめ全6種のうまい餃子を提供する老舗店

スタミナ抜群ニンニク入りから野菜オンリーのヘルシーまで多彩

焼肉の聖地として知られる各線「鶴橋」駅から、徒歩5分。焼肉を筆頭に、韓国料理、カフェにラーメン、寿司、うどんと和洋中なんでも揃うグルメタウンの一角に軒を連ねる「味力亭(みりょくてい)」。店内はカウンター8席と小さな座敷のみ、店主が一人で切り盛りするのにちょうどよい、こじんまりした店構えながら、ピーク時には“餃子好き”がこぞって列を成す名店です。
メニューは大別すると、焼き餃子が4種類(味力亭餃子・味鶴餃子・野菜餃子・しそ餃子)に、水餃子とスープ餃子。焼豚やクラゲなどの中華総菜、ライスなどのサイドメニューもラインナップ。焼き餃子はいずれも個性的で、初来店なら全部食べてみたくなるところ。
大東市発祥の丸正餃子にゆかりがあり、店名も付いた「味力亭餃子」(7個280円)の特長は、食べた瞬間、ガツンと口中に広がるニンニクの風味。パリッと焼き上げられた薄皮とひとくちサイズとがあいまって、パクパクと何個でも頬張れる、ヤミツキになる味です。唐辛子たっぷりのラー油を落とした餃子タレとの相性も抜群。ごはんもビールも進む味です!
「味鶴餃子」(7個280円)は、一見すると味力亭餃子のようですが、ニンニクは一切不使用。代わりに生姜がたっぷり入ってさっぱりと、味力亭餃子とはまた異なる風味が堪能できます。「野菜餃子」(7個280円)は薄皮から透けて見える鮮やかな緑色が特徴的。お肉は不使用、野菜のみ。女性好みの、とびきりヘルシーな餃子です。
「しそ餃子」(7個300円)は添えられた梅肉ソースを付けて食べる、あっさり系がお好みの方に。
変わり種の餃子といえるのが「スープ餃子」(6個470円、麺入り+220円、焼豚入り+250円)。焼き餃子よりもやや厚手の皮の餃子が、中華料理歴35年の店主が仕込んだスープを吸ってぷりぷりとした食感に。麺や焼豚を足して、ラーメン風にして食べるのも趣向が変わって楽しい。
4種の焼き餃子は、餡によって、薄皮がパリッとしていたり、もちっとしていたり。4種4様の風味や食感を楽しんでください! ひとくちサイズなので一人で4皿も可能ですよ。

★マニアさんのおすすめポイント★
4種の焼き餃子は、餡によって、薄皮がパリッとしていたり、もちっとしていたり。4種4様の風味や食感を楽しんでください! ひとくちサイズなので一人で4皿も可能ですよ。
[gyoza_02]店舗情報

北新地から全国へ美味しさ広がる「大阪ひとくち餃子」発祥店

餃子にかける変わらぬ想いと、進化し続ける味わい

1955年創業の、大阪ひとくち餃子発祥のお店「天平」。ミシュランガイドに2019 年から毎年掲載されている名店としても知られ、その知名度は全国区。
大阪の一大歓楽街・北新地という場所柄、近隣で働く女性たちが「臭いを気にせず」「見た目にもきれいに」食べられるサイズ感とニンニク不使用が特長です。天平の「ひとくちサイズ」には別説あり、店主曰く「創業者である母の手がとても小さくて、このサイズの餃子になった」のだとも。
60年前の創業当時から、仕入れ先も、作り方も変えないのが「天平」流。ただし、「昨日より今日、今日より明日美味しいものを」という信念のもと、時代や季節ごとに異なる野菜の味や質に合わせて、美味しさを進化し続けられるように調整は行ってきました。餡と同じく重要な皮も、天平用に別注でオーダー。餃子のサイズは小さいが、皮の大きさは一般的な餃子と同じ。さらに包むというよりも「折りたたんだ」独特の形状も、目を引きます。
「天平」の餃子は油を使わずに焼き上げるのが特長。通販やテイクアウトも添付のレシピどおりに焼けば、店で食べるのと同じように、皮はパリッと香ばしく焼き上げることができます。
「天平」では、お客様自身の好みで醤油と酢をブレンドしていただくスタイル。オススメの分量は「酢2:醤油1」で、自家製ラー油を適宜。餃子と一緒に漬物を出し始めたのも「天平」です。たらふく餃子を食べた後、きゅうりの浅漬けや梅干し、紀ノ川漬けなど、自家製のお漬物を食べると、さっぱりします。箸休めとしてもぴったり。
創業から60年、何度か改装はおこなったものの、基本的には変わらぬ「ザ・昭和」な雰囲気の店内。
常連客のなかには3世代で通われる方も珍しくありません。「店内では餃子に集中してほしいので、BGMは流さず、スマホも控えめに」と笑顔で語る、店主。「ただ美味しいものを作りたい、その一心で続けてきました。コロナ禍で出張や観光でおみえになるお客様客は減りましたが、通販で取り寄せて、ステイホームで楽しんでいただけたら、うれしい」。

★マニアさんのおすすめポイント★
大阪ひとくち餃子のピリッとした辛さと、相性バツグンのお漬物。一人で20個は当たり前。箸が止まらなくなる感じをぜひ味わってください!
[gyoza_03]店舗情報

大阪餃子界の名門暖簾「小洞天」系譜の餃子とラーメン

女性客に人気が高い、あっさり系塩ラーメン&ヘルシー餃子

ネオンきらびやかな夜の街・大阪ミナミの千日前で、バーやスナックがひしめく昭和レトロな雑居ビルの奥にある「小洞天」。創業者である「玉串 小洞天」に弟子入りしたのち、「布施 小洞天」で修行した店主が、1971年に創業したのがこちらのお店です。場所柄もあってお店のコンセプトは「飲んだ後の〆で食べるラーメンと餃子」。看板メニューもラーメンと餃子、キュウリに酒と、いたってシンプル。小洞天で〆る常連客のなかには近隣で働く女性たちも多く、ひとくちサイズ&ニンニク控えめで美味しい!と、人気に火がつきました。
「小洞天」の餃子(8個350円)の美味しさの秘密は、餡にたっぷりと使われた野菜。ひとくちサイズと小ぶりながら、少量のニンニクで満足感はしっかり得られます。おかわりしても罪悪感が少ないのは、野菜が醸し出すヘルシー感のおかげ。餡を包む皮にもこだわって店主が1枚、1枚手づくり。
昔ながらの焼き方で、外側をパリッとクリスピーに焼き上げられた餃子を、醤油と自家製ラー油、お好みで塩胡椒も加減していただきます。無限に食べてしまいそうな美味しさです。
餃子と並んで人気のラーメン(650円)は、鶏と塩で丁寧に出汁をとった透明スープを塩で調味した、シンプル・イズ・ベストな逸品。トッピングされる具材もオーソドックスで、チャーシューとネギと細モヤシ、白ごま。思わず「これ、これ」と手を打つ、安心のビジュアル。食べてみると、しみじみと美味しさが染み渡る、そんな一杯です。ワンタン麺(800円)やチャーシュー麺(900円)も人気があります。
店内は、カウンターのみ10席程度。老夫婦が切り盛りされる様子が微笑ましい「小洞天」。現在はコロナ禍で時短営業を行っているものの、従来は「〆の一杯」を求める常連客で込み合うのは遅めの時間帯というのも納得。店主曰く「餃子は、誰が食べても美味しいように、作っています。ほんまのあっさり、ひとくちサイズでパリパリに焼き上げます。ぜひ一度、ご賞味ください」。
★マニアさんのおすすめポイント★
雑居ビルの奥手という、初めて訪れる方には敷居が高い立地ですが、勇気を出して足を運んでみてください。飲まずに食べても美味しいですよ!
[gyoza_04]店舗情報
【編集後記】
ひと昔前であれば、餃子はラーメンやチャーハンのお供、中華料理の名脇役だったのが、今やメインメニューの敷居もジャンルの枠も超越。うまい餃子を求めて外食するのが当たり前の文化となったように感じます。大阪でも新旧の餃子専門店がしのぎを削って、各店ごとのスタイルと味を進化させつつあり、今後も目が(口が!)離せません!
Let's Share!
Other Spot
  • ぎょうざ専門店チャンピオン
    • 今里筋線 今里駅
    More
  • 味力亭
    • 千日前線 鶴橋駅
    More
  • 天平 北新地本店
    • 谷町線 東梅田駅
    More
  • 小洞天
    • 千日前線 日本橋駅
    • 堺筋線 日本橋駅
    More
  • 初代バタヤ
    • 谷町線 中崎町駅
    More
  • 焼餃子専門店 餃子のぱくぱく
    • 御堂筋線 中津駅
    More
  • 南平
    • 御堂筋線 なんば駅
    More
  • 黒門 三よ志
    • 千日前線 日本橋駅
    • 堺筋線 日本橋駅
    More
  • 餃子とおばんざい 三よ志 八幡筋店
    • 御堂筋線 心斎橋駅
    More
  • 大阪餃子専門店541+
    • 四つ橋線 本町駅
    More