日常を忘れる至福の体験 オオサカホテルマニア 日常を忘れる至福の体験 オオサカホテルマニア

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公開日2025.06.10

大阪らしい多彩な個性を見せるホテルたち

グルメやエンターテイメントが盛り上がり、国内有数の観光都市の顔を持つ大阪。一年中、多くの人々が国内外から訪れています。当然、受け皿となるホテルも充実。今回はそんな大阪でおすすめのホテルをご紹介。ホテルと一口に言っても、気軽に泊まれる民泊やゲストハウスから、機能的なビジネスホテル、お洒落なシティホテル、設備が充実した大規模ホテルまで多種多様です。観光やショッピングの拠点として使いやすいのはもちろん、そこでの滞在時間自体も楽しめるといっそう嬉しいですね。新鮮で心地良く、心に残る、特色に富んだホテルをピックアップしました。日常から離れてリラックスできる、貴重な時間づくりのお役に立てますように!

目次

目覚めると本のパラダイス「本屋さんに泊まる」夢のような体験を

ビルに登るとそこは外の喧騒を忘れる異空間

宿泊客が閲覧できるように本や雑誌を少し置いたホテルは見かけますが、ここは本をメインにした珍しい“泊まれる本屋”です。場所は心斎橋筋商店街のそばに位置する角地のビルの3階。中に入ると天井の高いハイセンスな空間が広がり、縦に横にとたくさんの本が並んでいます。
「本はジャンルや新旧に捉われず、国内外の雑誌、アート関係、エッセイ、小説、漫画、子どもさん向けの絵本など幅広く揃えています。最近は海外からお見えになるお客様も多いので、洋書も充実させていますね。本屋と謳っていますが、販売はしておらず、館内でご覧になっていただくシステムです」とスタッフさん。
スタッフ全員が本好きで、自分たちが面白いと感じたものやお客様のニーズに合わせたものをピックアップして並べるそう。新刊を扱う一般的な書店以外に、古書店を回って掘り出し物を探すなど、飽きないように入れ替えに気を配られています。あまり見かけないマニアックな本もあり、知識欲が満たされます。
ホテル内は「カフェ」と本が並ぶ「ブックラウンジ」に分かれており、どちらも宿泊客以外も利用可能。ブックラウンジは、中央の本棚の周辺にソファが配置され、壁側に客室が並んでいます。
「家で寝そべって本を読むと、いつの間にかうとうとして、寝落ちしたりますよね。同じ心地良さを味わってもらえるように、広めのソファを置きました」とのこと。
客室以外にソファでゆったり寝転がっても大丈夫で、「とても快適!」のひと言に尽きます。
また、カフェも同様にユニークなオリジナリティを感じる場所です。中でもメニューが話題で、竹炭パウダーを材料に取り入れて、真っ黒の色に仕上げたドリンクやフードが勢揃い。黒いフルーツサンド、黒いカフェラテ、黒いレモネードと、斬新に思えますが、白で統一した空間とのコントラストが美しく、“映え”要素満点です。人気の「こぼれるフレンチトースト」(750円)は、甘さ控えめのクリームがトーストによく合います。
砕いたクッキーが入った「ブラックオレオココア」(660円)は、食感も楽しめるドリンクです。
大阪を代表する繁華街に位置していて便利な同ホテルは、「宿泊利用」「宿泊しないで本とカフェメニューだけ楽しむ」「カフェのみ利用」とさまざまなスタイルで利用可能です。客室はすべてカーテンで閉じる半個室タイプで、シングルとダブル以外に天井の高いスーペリアルームも用意。
他府県や外国から来るゲストの他、地元の大阪からも気分転換や、本を目当てに訪れる方がいるとか。自分らしい楽しみ方を見つけてください。
[hotel_01]店舗情報

シンプルなホテルステイで、心に残る彩を添える「&」の提案

扉を開けると素敵なブレックファストが!

本町といえば、幾多のオフィスビルが立ち並ぶ大阪きってのビジネス街です。ホテル・アンドルームス大阪本町が位置するのは、大通りから、少し細い道に入る落ち着いた一帯。都会の中心地でありながら、のんびりした環境で羽を休められます。
「当ホテルは分類としては、ビジネスホテルにあたりますが、手軽に泊まれるだけでなく、そこにあったら嬉しい、『&(アンド)』の要素をプラスするのがコンセプトです」とホテルオペレーションマネージャーの片岡さん。
客室は爽やかな木の素材を取り入れた、シンプルでスタイリッシュなインテリアで統一。
不要なものを極力省き、かつ、同ホテルならではの楽しみである『&』を付け加えています。
「例えば、朝食は1階のレストランまで降りることなく、4種類のメニューから選んで、部屋で召し上がっていただけます。静かな環境で食べられますし、メイクなどの身支度が必要ないので慌ただしくならず、リラックスして過ごしていただけます」とのこと。
4種類のメニューは、サラダやワッフルなどを用意。盛り付けが華やかで、朝の目覚めにピッタリです。イチオシの「ローストポークとVEGEプレート」は、ハーブやライムに漬け込んでつくるローストポークが美味。指定した時間に部屋までデリバリーしてもらえます。
また、もう一つの『&』として挙げられるのが、ジャパニーズワインを取り揃えている点です。
日本固有品種の葡萄で作るワインは、外国産とはまた違う美味しさがあります。仕入れは、スタッフが直接ワイナリーに出向き、製造風景を見ながら買い付けています。ときどき銘柄を入れ替えて飽きない工夫をすることも忘れません。ワインは併設のレストラン「ルースト」にてボトルで販売しており、購入後すぐに部屋で楽しむお客様も多いとか。
そして、ホテルのメイン、客室に関しては、全103室のうち約半数に「小上がり」を取り入れたのが特徴です。床のカーペットから少し高い位置にフローリングの小上がりを設けて、寝具としてマットレスを配置しています。自宅にいるように、靴を脱いで開放的なスタイルで過ごせます。
観光や仕事であちこち出歩いた後の疲れも自然に取れそうです。その他、子ども向けの絵本やおもちゃ、ベビーバスなどを取りそろえたファミリールームや、広いバスルームや手すりを設置したユニバーサルルームなども用意しています。
「強いインパクトがあるわけではないけれど、何かと気の利いた快適な場所」そんな余韻が残る同ホテル。立地も便利で、定宿として使うのもおすすめです。
[hotel_02]店舗情報

発展し続ける大阪“ニシ”。懐かしい港町の面影をホテルで再現

アナログな感覚がかえって新鮮なレコード

キタやミナミのような強い存在感はないけれど、湾岸方面の“ニシ”の街も魅力の多い場所。弁天町の駅を降りて南側に歩くこと約10分、濃い青色の壁をした目立つ建物に目が留まります。よく見ると青い壁はレンガになっています。
「当社はホテルの企画・開発から運営まで手掛ける会社です。『人、街、文化をつなぐメディアとしてのホテル』がコンセプトで、弁天町に漂うノスタルジックなムードをホテルの世界観として表現しました」と支配人を務める伊豆田さん。
街の歴史や文化に敬意を払い、ホテルをプロデュース。モチーフの青レンガは、港町の空気をホテルの中でも感じてほしいという想いで採用されたそうです。エントランスを抜けて、1階のカフェ&バーを通り過ぎて、客室に入ると、そこでもノスタルジックな演出が待ち構えています。
一つの例が、全室に設置されたレコードプレーヤーです。
「今の若い人たちにとって音楽と言えば、ボタン一つでデータをストリーミングして聴くことができる、形のないものです。ですから、あえて昔のスタイル、手に取れる形を持つレコードで聴く楽しさを味わっていただきたいと考えました」とのこと。
レコードは、朝晩それぞれの時間や気分に合う曲をスタッフが選んで各部屋に用意。エントランスに設けたレコードラックから、好きなものを選んで聴くこともできます。ジャズ、ソウル、ロック、ポップスなど取扱うジャンルが幅広く、トータルで500枚以上が揃っているそう。
さらにグレードの高いプレーヤーを設置した特別な一室、「VINYL SUITE ROOM」は、青い壁一面にレコードジャケットが飾られ、上質な空間です。
また、部屋に設置したプロジェクターで、大画面の映像を楽しめる「BINGE WATCHING PLAN」は同ホテルらしい特色が出たプラン。
映画やドラマ以外に、ライブビューイングなどを見るのもおすすめの使い方です。ピザやポップコーンといった軽食やスナックがプランに含まれており、ベッドに寝転がって食べてもOK。誰にも邪魔されない、気兼ねのない時間を満喫できます。
建物、設備、インテリア、サービス、どれも心に響いて、チェックアウトの日が寂しくなりそう。思い出に、館内で販売しているオリジナルグッズもいかがでしょう。
真鍮(しんちゅう)製で経年の変化を楽しめるルームキー型のキーホルダーや、飽きの来ないシンプルなデザインのトートバッグなど日常づかいしやすいアイテムが揃います。見るたびに再訪したいと思うかもしれません。
[hotel_03]店舗情報

古い建物を創造的な感性でリノベーション。安心して過ごせる民泊

サウナでくつろぎ、アートに囲まれて眠る

格式を感じる正統派のホテルもいいけれど、家族や仲間たちと開放的に過ごせる「民泊」はいかがでしょうか。近年、ますます人気の高い街になった福島区でおすすめの施設を紹介します。
「当社は『クリエイティブで空間価値を最大化する』をモットーに、アートやデザインの力で、空き家をリノベーションし、民泊施設として新たな価値を創出している会社です。当ホテルは、2019年に改装を始めて、2020年の3月に開業しました。住空間の中でアートを身近に感じられて、一棟丸ごと貸切りでも使っていただける民泊施設です」と運営会社である株式会社グレートステイの代表を務める大﨑さん。
民泊は日本の空き家問題を解決する手段にもなると考えて、古い建物を再生。民泊という言葉にネガティブなイメージを抱く人もいるかもしれませんが、同ホテルは自治体の許認可を取得した信頼できる施設です。一軒家を改装した建物は3階建てで、2階と3階が客室。ワンフロアもしくは一棟貸切りで利用するシステムで、同時に滞在する宿泊者は多くても2組まで。広いリビングルームや複数の寝室、キッチンなどを使用できて、仲間や家族と気がねなく過ごせます。
また、大きなテーマであるアートは、絵画を初めとする作品をあちこちに飾っています。主に日本人作家の作品を展示し、外国人ゲストにとっては、アートを通じて日本への理解を深める機会にもなりそうです。
そして、同ホテルが打ち出すもう一つの楽しみが、屋上に設置されたサウナ。低温で体を温めるフィンランド式で、サウナ付きプランを選ぶと自由に使うことができます。
サウナの隣のスペースには椅子を並べていて、シーシャなどのオプションを用意。観光や街歩きに出かけた後、疲れた体をリフレッシュするのに最適です。
「サウナに入った後は体がスッキリして感覚が鋭敏になると思います。その状態でアートを楽しんでいただくのもおすすめです」とのこと。作品を厳選することはもちろん、観る環境についても深く考えています。
さまざまな角度から民泊の良さに触れられる同ホテルは、同じ福島区内でトレーニングジムを特徴としたt3 HOTEL+、また、京橋でゲーミングルームを特徴としたK3 HOTEL+、といった系列の施設も展開しており、アートはもちろん+αの体験を打ち出しています。
「当社は、今後もアートに触れてもらえる民泊施設の創出を続けていきます。d3 HOTEL+のように、アルファベットのaからzを施設名に付けて、トータルで26の施設を完成させる予定です。そのゴールに向けてアイデアを生み続けます」と大﨑さん。
ここを皮切りに民泊の楽しさに目覚めるかもしれません。
[hotel_04]店舗情報

光と緑に包まれる至福の時間が女性たちの心を掴んで離さない

あふれるほどの感動を紡ぐ“リビング”

西長堀駅周辺は、ミナミを始めとする繁華街に行きやすい上、夜は静かな環境で落ち着ける穴場の宿泊エリアです。2019年春、その一角にhotel it. osaka shinmachiはオープンしました。
「当ホテルの母体は、以前、繊維商社を営んでいた会社です。繊維と言えば糸、糸は紡ぐものです。そこから宿泊客の方や地域の方など、たくさんの人と人を紡ぐ『糸』の意味を込めて、itと名付けました」と宿泊支配人の秋田さんが由来を教えてくれました。
全160室。建物の4階から11階にまたがる明るい雰囲気のホテルで、客室以外の共用部分で特に心臓部としてこだわったのが、it.livingと名付けた4階のスペースです。
ワンフロアを贅沢に使った広々とした空間に、レストラン、バー、ソファ席、ワーキングスペースなどが収まっており、全体を見渡せる開放感に満ちています。
さらに、同ホテルのテーマである、ナチュラルな要素をあらゆる部分に盛り込んでいます。インテリアにはアースカラーや木の素材を多用。ガラス張りで爽やかな自然光が差し込みます。たくさんのグリーンをハンギングで飾った壁が、強い存在感を放っています。グリーンは毎週、専門の業者が入れ替えるので、いつも生き生きとした姿です。
食事、お酒、くつろぎ、音楽、いくつもの喜びを通して人と人が繋がる場所です。
そして、客室に込められた『紡ぐ』の意味にも注目したいところ。
「敷物やポーチなどの小物のデザインに、キービジュアルであるタータンチェック柄を取り入れました。生地はオリジナルで、赤は世界を変える情熱、青はポジティブな自信、白はおもてなしの心と、5色の糸それぞれに意味を込めています」と秋田さん。
客室はシングルやツインなど一般的なタイプに加えて、隣り合う2室を扉で繋いだコネクティングルームも用意しています。どの部屋もスッキリとしたインテリアに、温かい雰囲気のチェック柄がアクセントを添えています。
飲食面のサービスが充実している点も見逃せません。併設のイタリアンレストラン、it.ovenでは、イタリア現地から取り寄せた薪窯で焼くピザが人気の他、大阪産のブランド和牛なども味わえます。
また、ドライフルーツやナッツを組み合わせて好みのアレンジで食べられるホームメイドのグラノーラは、ナチュラルな感覚を大事にしている同ホテルらしいメニュー。
そして、一日の終わりには、バーでゆったりお酒を飲んで、疲れを癒してください。国内外から多数の宿泊者が訪れる同ホテルの魅力を、余すところなく享受できるはずです!
[hotel_05]店舗情報
【編集後記】
取材を通してわかったのが、運営母体の規模は大小さまざまでも、どの施設もしっかり考え抜かれたコンセプトに基づき、空間やサービスを完成させていることです。背景に流れる厚いホスピタリティの思いに触れて、「寝泊まりするだけではもったいない」と感じました。宿泊するときはぜひ、HPなどで、ホテルの概要やコンセプトについて下調べしてほしいと思います。深い思いを知ることで、第2の我が家のように帰ってきたい場所になるかもしれません。
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